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Home ニュース(2011) 下請取引の適正化及び下請事業者への配慮等に係る通達の発出について2011-12

下請取引の適正化及び下請事業者への配慮等に係る通達の発出について

 我が国の景気は、足下での持ち直しの動きが見られるものの、少子化による国内市場の縮小傾向及び新興国の台頭という構造的な課題に加え、東日本大震災による被災、海外景気の下振れや円高、株価の変動等による影響が、下請事業者を始めとして懸念されている状況にあります。

 こうした経済情勢を踏まえ、経済産業省は、親事業者等に対し「下請取引の適正化」及び「下請事業者への配慮等」に係る通達を本日付けで発出しました。


 具体的には、年末に向けた下請事業者の資金繰りを確保するため親事業者が下請代金を早期にかつ可能な限り現金で支払うことや、円高の進展等による影響が立場の弱い下請事業者に不当にしわ寄せされることがないよう配慮することなどを要請しております。

 上記に加え、下請代金の支払遅延、下請代金の減額、買いたたき等の下請代金支払遅延等防止法の禁止行為に違反することがないよう、同法を遵守すること等を要請。
経済産業大臣及び公正取引委員会委員長の連名により、親事業者代表取締役(35,145社)及び関係事業者団体代表者(637団体)あて発出。

 

平成23・10・19 中第1号
公取企第79号
平成23年11月21日
関係事業者団体代表者 殿
経済産業大臣
公正取引委員会委員長

下請取引の適正化について


 我が国の景気は、足下での持ち直しの動きが見られるものの、少子化による国内市場の縮小傾向及び新興国の台頭という構造的な課題に加え、東日本大震災による被災、海外景気の下振れや円高、株価の変動等による影響が、下請事業者を始めとして懸念されている状況にあります。
 こうした経済状況を踏まえ、公正取引委員会及び経済産業省は、下請代金支払遅延等防止法(昭和31年法律第120号。以下「下請法」といいます。)違反行為への厳正な対処を行うとともに、親事業者等に対する下請法の普及啓発を行っております。
 下請法は「下請代金の支払遅延」、「下請代金の減額」、「買いたたき」等の行為を禁止するものです。公正取引委員会及び経済産業省は、違反した親事業者に対して、支払遅延については下請代金を速やかに支払わせ、下請代金の減額については減額分を下請事業者に返還させるなど、下請法の厳格な運用に努めております。
 また、公正取引委員会においては、下請取引の適正化をより一層推進する観点から、下請事業者を始めとした中小事業者が所在する地域に公正取引委員会法基礎講習会」、下請法に関する一定の知識を有する者を対象として、より具体的な事例を中心とする「下請法応用講習会」を実施しております。
 さらに、過去に下請法違反がみられた業種等に一層の法令遵守を促すことを目的として、業種ごとの実態に即した分かりやすい例を用いて説明を行う「業種別講習会」を実施しております。
 他方、経済産業省においては、下請法の法令遵守の徹底を促すため、円高の影響が現れやすい違反をした親事業者や、違反を繰り返した親事業者等の役員等に対する特別事情聴取の実施、全国47の県庁所在地において企業の経営者等に対する下請法の講習会(トップセミナー)の開催、下請ガイドラインの策定、業種の特性に応じた違反行為や望ましい取引事例を解説する説明会の開催等を実施しております。
 冒頭で触れました現下の経済状況では、円高の進展等による影響が立場の弱い下請事業者に不当にしわ寄せされることのないよう配慮することが必要です。
 特に、これから年末にかけては、金融繁忙期であることから、下請事業者の資金繰り等について一層厳しさを増すことが懸念され、親事業者が下請代金を早期にかつ可能な限り現金で支払い、下請事業者の資金繰りに支障を来さないようにすることが期待されます。
 貴団体におかれましては、このような状況を十分に認識いただき、下請事業者への不当なしわ寄せが生ずることのないよう、前記趣旨及び別紙1の記載事項について、改めて貴団体所属の親事業者に対し周知徹底を図り、下請取引の適正化を指導されるよう強く要請いたします。
 最近では、法令遵守意識の高まりを受け、企業の中には自主的に様々な工夫を施し下請法の趣旨を分かりやすく社内で説明するなど、下請法の理解が深まるような取組を積極的に行っている事例もあります。貴団体におかれても、このような取組を貴団体所属の事業者に推奨していただきたいと考えます。
 大手企業の中には、依然として法令遵守が徹底していない事例がみられます。
 例えば、社内の調達担当者がコンプライアンス担当部門に相談しなかった結果、減額、支払遅延などの下請法違反行為が行われ、改善指導や勧告の対象となった親事業者も存在します。勧告の対象となった場合には事業者名等の公表を行うことになることから、このような事態の生じることのないよう、貴団体所属の事業者に下請法遵守の重要性を周知いただきたいと考えます。
 また、貴団体所属の下請事業者に対しては、下請取引に関し親事業者による下請法違反のおそれのある行為を受けた場合には、積極的に別紙2記載の相談窓口又は「下請かけこみ寺」に相談するよう御指導方お願いいたします。

 

(別紙1)

親事業者の遵守すべき事項


 下請取引を行うに当たって、親事業者は、下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」という。)に従い、下記事項を遵守しなければならない。



1 親事業者の義務
 (1)書面(注文書)の交付及び書類の作成・保存義務
  ・下請事業者に物品の製造や修理、情報成果物の作成又は役務提供を委託する場合、直ちに注文の内容、下請代金の額、支払期日、支払方法等を明記した書面(注文書)を下請事業者に交付すること。(下請法第3条)
  ・注文の内容、物品等の受領日、下請代金の額、支払日等を記載した書類を作成し、これを2年間保存すること。(下請法第5条)
 (2)下請代金の支払期日を定める義務及び遅延利息の支払義務
  ・下請代金の支払期日は、親事業者が下請事業者から物品等を受領した日から60日以内において、かつ、できる限り短い期間内に定めること。(下請法第2条の2)
  ・支払期日までに下請代金を支払わなかったときは、下請事業者から物品等を受領した日から起算して60日を経過した日から支払をするまでの期間について、その日数に応じ、未払金額に年率14.6パーセントを乗じた額を遅延利息として支払うこと。(下請法第4条の2)


2 親事業者の禁止行為
親事業者は次の行為をしてはならない。
 (1)受領拒否の禁止
  ・納品された物品等が注文どおりでなかった場合等を除いて、注文した物品等の受領を拒むこと。(下請法第4条第1項第1号)
 (2)下請代金の支払遅延の禁止
  ・支払期日の経過後なお下請代金を支払わないこと、すなわち下請代金の支払を遅延すること。(下請法第4条第1項第2号)
 例えば以下の行為は禁止行為に当たります。
  ― 受け取った物品等の社内検査が済んでいないことや社内の事務処理の遅れを理由に下請代金の支払を遅延すること。
 (3)下請代金の減額の禁止
  ・下請事業者に責任がないのに、発注後に下請代金を減額すること。(下請法第4条第1項第3号)
   (減額の名目、方法、金額の多少、下請事業者との合意の有無を問わない。)
 例えば以下の行為は禁止行為に当たります。
  ― 単価の引下げ改定について合意した場合に、合意前に既に発注されているものにまで新単価をそ及適用すること。
  ― 手形払を下請事業者の希望により一時的に現金払にした場合に、その事務手数料として、下請代金の額から自社の短期調達金利相当額を超える額を減ずること。
 (4)返品の禁止
  ・取引先からのキャンセルや販売の見込み違い等、下請事業者に責任がないのに、下請事業者から物品等を受領した後、下請事業者にその物品等を引き取らせること。(下請法第4条第1項第4号)
 (5)買いたたきの禁止
  ・同種、類似の委託取引の場合に通常支払われる対価に比べて著しく低い下請代金の額を不当に定めること。(下請法第4条第1項第5号)
 例えば以下の行為は禁止行為に当たります。
  ― 親事業者の予算単価のみを基準として、一方的に通常の単価より低い単価で下請代金の額を定めること。
  ― 多量の発注をすることを前提として下請事業者に見積りをさせ、この見積価格を少量発注する場合に適用すれば通常の対価を大幅に下回ることになるにもかかわらず、その見積価格の単価を少量の発注しかしない場合の単価として下請代金の額を定めること。
(注)買いたたきの事例等を解説した「ポイント解説 下請法」も御参照ください。
公正取引委員会又は中小企業庁ホームページからダウンロード可能です。
http://www.jftc.go.jp/sitauke/pointkaisetsu.pdf
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/070713shitaukedaikin_guide.htm


 (6)物の購入強制・役務の利用強制の禁止
  ・正当な理由なくして、自社製品、手持余剰材料その他自己の指定する物を下請事業者に強制して購入させたり、役務を強制して利用させること。(下請法第4条第1項第6号)
 (7)報復措置の禁止
  ・下請事業者が親事業者の違反行為について公正取引委員会又は中小企業庁に知らせたことを理由として、取引の数量を減じたり、取引を停止するなどの不利益な取扱いをすること。(下請法第4条第1項第7号)
 (8)有償支給原材料等の対価の早期決済の禁止
  ・親事業者が原材料等を有償で支給した場合に、この原材料等を用いて下請事業者が製造又は修理した物品の下請代金の支払期日より早い時期に、この原材料等の代金を支払わせたり、下請代金から控除すること。(下請法第4条第2項第1号)
 (9)割引困難な手形の交付の禁止
  ・下請代金の支払につき、下請代金の支払期日までに一般の金融機関による割引を受けることが困難であると認められる手形を交付することにより、下請事業者の利益を不当に害すること。(下請法第4条第2項第2号)
 手形サイトは、原則として、120日以内(繊維業にあっては90日以内)とすることとされている。(通達:41公取下第169号及び第233号、41企庁第339号及び第467号)
 (10)不当な経済上の利益の提供要請の禁止
  ・下請事業者に対して、自己のために金銭、役務その他の経済上の利益を提供させることにより、下請事業者の利益を不当に害すること。(下請法第4条第2項第3号)
 (11)不当な給付内容の変更・やり直しの禁止
  ・下請事業者に責任がないのに、発注内容の変更を行い、又は下請事業者から物品等を受領した後(役務提供委託の場合は役務の提供後)にやり直しをさせることにより、下請事業者の利益を不当に害すること。(下請法第4条第2項第4号)

 

 

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